本物をつくるー建築現場から Vol.040

土屋ホーム 圭幌エリア

いい家を建て、喜んでもらえるカッコイイ大工になりたい!

 お客さまに心から喜んでいただける住まいづくりをするには、社員教育が何より大切と考える土屋ホームでは、大工職人を育てる企業内の職業訓練校「土屋アーキテクチュアカレッジ」を開設・運営しています。コロナ禍にも、暑さにも寒さにもめげず、技能習得に励む30期生の奮闘ぶりをご紹介します

まず社員となり、職業訓練校で1年間、仲間と学び競い合う

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 札幌市に隣接する北広島市大曲工業団地内にある「土屋アーキテクチュアカレッジ」(1991年開校)は、土屋ホーム独自の技能職(大工)の職業訓練校です。高校卒業者を対象に大工や内装職の志望者を募集し、土屋ホームの社員として採用。給料を受け取りながら訓練生として1年間学び、修了後、大工または内装技術者として建築現場にデビューします。
 30期生は男女14人。コロナ感染予防対策としてマスクをしながらの授業ですが、瞳はキラキラ、何事にも意欲的です。基礎学科をはじめ、座学全般を担当する阿部忠校長は「本校では座学・実技・実習を合わせ、年間1500時間を超える授業を行いますが、最初に学ぶのは礼儀作法です。あいさつの仕方、靴のそろえ方、ほうきの使い方、時間を守ることなど、社会人としての基本が身についていなければ、訓練に励んだところで、目指すところがズレてしまいます」と力を込めて語ります。
 日々実践し、「あいさつされると、うれしい」「掃除が行き届いていると気持ちいいし、喜ばれる」と気づくことで、人を思いやる心が育ち、整理整頓が習慣づけられていきます。「土屋ホームの建築現場はきれい」「大工仕事の隅々に心配りが感じられる」といった施主さまのご感想からも、同校の基本を大切にする授業は、「お客さまに心から喜んでいただける住まいづくり」に確実に反映されています。

基本をしっかり身につけ伸びしろのある大工職人に

  • 建築製図の授業風景(研修室)
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 全寮制というのも、同校の大きな特色です。土屋ホームの建築現場で働くことを夢見て、全国各地から集った訓練生たちは、1年間、同じ教室で机を並べ、「同じ釜の飯」を食べて連帯感を養い、切磋琢磨します。「互いに支え合って、しっかり学んで、資格も取って、現場に出ようと話し合っています」と寮長を務める小原崇生。
 今期は、たまたま女性一人となりましたが、そのことに関し「不安はありません」と話す北口瑠は、「競う相手がたくさんいることが自分の成長につながると思います」とも。新屋蘭邦指導員は、実技練習場で「一つのことを自分でやり遂げることで、力がついていく。こつこつ努力する人は、伸び方が違う」と実技指導の手を休めず訓練生に語りかけます。訓練生の様子から体の調子や心情までも読み取り、さりげなく励ます阿部校長。「入校時はみんな、のりの効いた作業服に着られている印象でしたが、汚れて洗濯を繰り返すうちに、体になじんで、いい感じになっています。仕事も同じですね」との言葉に現場経験豊富な技術者ならではの感慨がにじみます。

ある日のカレッジの時間割

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5:30:起床、寮室の掃除、朝食
6:50:朝礼、各現場へ移動
8:00:現場実習
12:00:昼食
13:00:現場実習
16:50:カレッジへ移動、終礼
17:00:夕食、自由時間
22:00:就寝

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(左)新屋 蘭邦 職業訓練指導員:長きにわたり棟梁(職長)として活躍した一級建築大工技能士
(右)阿部 忠 校長:現場監督、技術部、支店長を経て同校に着任