本物をつくるー建築現場から Vol.042

土屋ホーム 札幌エリア

職長候補の若手技能士が施工現場で切磋琢磨

  札幌市清田区の施工現場で取材に応じてくれたのは、石川祐希、澤里裕太、佐藤寛志の若手技能士3人。カレッジ修了後、それぞれ指導員のもとで修業し、その成長ぶりが認められ、今回初めて3人だけで現場を任されました。ここで職長を務めるのは、今年3月に1級建築大工技能士の国家資格を取得した澤里技能士。次の現場では石川技能士、さらにその次は佐藤技能士と、職長役をローテーションしながら、実践的にリーダーシップを学んでいきます。
  
  「職長の仕事はまず工期を組み、必要な部材を発注して、現場監督と打ち合わせしながら進捗を管理すること。施主さまが見学にみえたときに現場担当として構造についてご説明する場合もあります」と澤里技能士。これまでも2階部分だけ一人で任されて工期を組んで仕上げるなどの経験は積んできましたが、一棟丸ごと担当するのは初めて。それでも特別なトラブルはなく、作業は順調に進んでいました。3人は以前に同じ指導員の班で一緒に仕事をしたこともあるので、チームワークもばっちり。「同世代なので、仕事はやりやすいですね」と口をそろえます。

3人体制の外部班

  ここでの3人の役割は通称「外部班」。敷地に基礎だけある状態からスタートし、土台を敷いて建て込み、躯体を仕上げたら、次は内装を手掛ける「内部班」に引き継ぎます。(左から順番に佐藤 寛志技能士、石川 祐希技能士、澤里 裕太技能士)

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●佐藤 寛志(22歳)
北海道小樽市出身。もともと木造の大工になりたくて小樽工業高校を経て土屋ホームへ。「外断熱の土屋ホームは建ててる最中から暖かいと分かります」
●石川 祐希(23歳)
北海道栗山町出身。地元の普通高校を卒業後、土屋ホームへ。「土台を敷いて柱を立て梁を掛け、建て込みして家の外観ができたときは達成感があります」
●澤里 裕太(22歳)
北海道日高町出身。苫小牧高校建築科を卒業後、土屋ホームに入社。「父も建設関係だし、もともと体を動かす仕事がしたかった」と木造大工を志望。

効率的な施工スタイルは土屋ホームならでは

  土台を敷き、柱を立て、梁を掛け、屋根を組み、外壁の下地材、耐久性を高める合板、断熱材と透湿・防水用シート、床の下地を張るまでが「外部班」の仕事。重い部材を扱う一連の作業は、体力のある若い技能士が担い、家のかたちができ上がったら今度は「内部班」が小屋裏のボード張りから内装の仕上げを行います。土屋ホームは部材を事前に工場で加工するプレカット方式なので、現場での作業が効率化されており、工期を短縮して施工できるのが特長。とはいえ雨が続いて作業が遅れる場合もあり、職長には工期の調整や電気や設備、板金など、さまざまな関連業者との連絡なども求められます。

経験を重ねて職長を目指す!期待を背負う若手技能士たち!

  「土屋ホームは教育体制がしっかりしているのが魅力です。ほかでは腕のいい職人さんに弟子入りしても、忙しいと自分で手を動かしたほうが早いから、新人はちゃんと教えてもらえないことも多いらしい。その点、うちでは若手が成長できる体制が整っています」と澤里技能士。今回、指導員のもとを離れ自分たちだけでやってみて、工程通りに進められたことは大きな自信につながりました。
  チームメンバーの石川技能士は「技術と人間性を磨いて、親方として自分の班を持つのが目標」、佐藤技能士は「自分に仕事を教えてくれた指導員のようになりたい」と、それぞれ将来のビジョンも明確です。これから外部班の職長役を一巡したら、外部から内部の仕上げまでを一貫して行う「通し」の仕事も経験する予定。もちろん次々と現場に入っている後輩の面倒も見なければなりません。将来の職長(棟梁)として現場を引っ張っていくために、挑戦の日々はまだまだ続きます。