本物をつくるー建築現場から Vol.043

土屋ホーム 圭幌エリア

リーダーの佐々木職長の下、ベトナム人のチームで施工

   取材で訪ねたのは、江別市大麻の施工現場。佐々木英之職長の下、4人のベトナム人がテキパキと働いていました。フンさんとトゥンさんは就労ビザを取得して来日し、当社に勤務して現在3年目。クアンさんとクオンさんは、今年2月に来日したばかりの技能実習生。ベトナム人の先輩がいる佐々木職長のチームに配属され、訓練を受けています。佐々木職長は「みんな一生懸命やってくれています。私はベトナム語を話せませんが、彼らがどんどん日本語を覚えてくれるので助かっています」と言い、彼らの仕事を笑顔で見守ります。
  この日は壁に断熱材を張り、気密性を高めるテープで固定する作業をしていました。「この現場は土台敷きから建方(組み立て)、屋根、壁下地まで1週間でした。だいぶ慣れてきて、ある程度の作業は任せられます」と、弟子たちの成長に目を細めます。
  佐々木職長がいつも気を配るのは明るい雰囲気の現場をつくることと、きれいに片付けること。「仕事はもちろん丁寧に仕上げるのが前提で、いつお客さまがみえてもいいように、一つの作業が終わるたびにキレイにしなさいと指導しています」とのこと。撮影の合間も、自らほうきとちりとりを持ち、足場の下に落ちた断熱材の切れ端を集めていた佐々木職長。率先して自分がやって見せることで、整理整頓の大切さを伝えています。

言葉の壁を乗り越えチームワークを発揮!

  • ホー・タン・トゥンさん(25歳)は来日3年目。北海道は空気が新鮮でおいしい。病気にかからず健康に暮らせそうです。
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  実際に指導を受けているメンバーは、リーダーの佐々木職長をどのように感じているのでしょう。トゥンさんは「佐々木さんには細かな部分をきっちりしなさいと言われているので、丁寧にやるよう心掛けています」と話してくれました。来日してまだ半年の技能実習生たちは、研修のあと工場勤務を経て春から現場に配属されたばかり。最初は足場に上るのも恐る恐るでしたが、徐々に仕事に慣れてきた様子です。

  佐々木職長はこう話します。「外国人のチームというと『大変だね』と言われますが、そんなことはありません。確かに言葉が通じないのはもどかしい面もありますが、外国で働こうと決心してやってきた彼らはすごく真面目でやる気もある。覚えるのも速いですし、教えがいがありますよ。私自身、日本人だから外国人だからと区別していないし、接し方も日本人技能士の指導と変わりません」

やる気があるから教えがいがある

  • 佐々木 英之職長(左から3番目)は土屋アーキテクチュアカレッジの1期生。札幌圏で4年間修業を積み、その後は宮城、長野、群馬、栃木などに勤務。2019年に札幌に戻り、ベトナム人技能士の指導を担当して3年目。一級建築大工技能士、北海道稚内市出身。
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  手塩にかけて育てた弟子たちが、仕事はもちろん日本の生活に慣れていく姿を頼もしく感じています。「休日には自分たちでレンタカーを借りて、道内の観光地に出かけたりしているようです。就労ビザは5年で今は3年目。そのあと更新するのか母国に帰るのかは分かりませんが、彼らが日本で働いている限りは、私もしっかり指導したいと思います」と佐々木職長。
  当社で学んだ技術や精神が、国境を越えて海外へ広がっていく日も近いかもしれません。