TSUCHIYA通信

土屋ホーム

立春が過ぎて、これからどんどん日が長くなってきます。昔から日本人は春を迎える喜びを風流に表現してきました。例えば春告げ草は梅、春告げ鳥はウグイス、春告げ魚はその名の通り鰊(ニシン)など。そして春告げ山菜…とは言いませんが春の息吹を感じる食材の一つにフキノトウがあります。

フキノトウはわが国最古の野菜の1つです。収穫するときは雪の少ない地方では2月頃に若草色のつぼみを、雪の多い地方では雪が解けきらないうちに雪の下で黄色い「ほう」が開き、芽を出したものを摘みます。その特有の香りとほろにがい味わいは高い栄養価によるもので、体の機能を活発にする働きがあります。そのためなのか冬眠から目覚た熊も、まず初めにフキノトウを食べると言われているそう。
私達にとっても、春の季節を表現する山菜として、特に日本料理には欠かせない食材ですね。

ちなみに美味しいフキノトウの条件としては「つぼみがまだ硬く閉じていて締まりがある」「コロコロと太っていて黒ずんでいない」などがあります。周りの葉から花芽が見え始める位までの物が美味しいそうです。大きくなり過ぎたものは、苦味が強く美味しくないので避け小ぶりの物を選びましょう。保存する時は、乾燥しやすいのでポリ袋などに入れ冷蔵庫に入れます。ただし、収穫してからはあまり日持ちはしませんので早めに食べる事をおすすめします。

もしも残ってしまった場合は、佃煮やフキノトウ味噌などの日持ちがするお料理にしたり下茹でしてアクを抜いた状態で冷凍し、使う時は自然解凍して和え物や汁物などにすると良いようです。雪解け後一番最初に芽を出すフキは「富貴」の意味もあり日本人にとって縁起の良い食材と考えられていたそう。ぜひ春の食卓に取り入れたいですね。