本物をつくるー建築現場から Vol.032

土屋ホーム 建築現場から

評価された優れた技術と後輩への丁寧な指導ぶり

 土屋ホームの生産部施工課で、技術が着実に継承されているのは、施工責任を担う職長が、後輩技能士の指導にも熱意をもって取り組んでいるからです。今回ご紹介する鼻和義知職長も後進の指導に熱心な棟梁の一人。面倒見がよく丁寧な指導ぶりが評価されて、現場経験3年未満の若手技能士の育成を担当する指導員となりました。こちら札幌市の東隣、江別市の現場では、チームを組む横山工恭技能士の指導にあたっています。「将来は立派な棟梁になってほしい」と、横山技能士の前向きで負けず嫌いな性格に、大きな可能性を感じています。

 鼻和職長が後輩への技術継承を大切な仕事と捉えているのは、20代初めに教えを受けたベテラン指導員の存在があるからです。「あの出会いがなかったら現在の自分はない」と当時を振り返ります。目先の損得で仕事をするな。するべきことを確実に行って大工としての徳を積め」胸に刻んだ数々の言葉は、年齢を重ねて棟梁となった今だからこそ身に沁みるものばかり。その指導員と共に現場に立つ機会はもうありません。でも今、棟梁として頑張る自分の姿をみて、「お前も、まだまだだな」と言葉をかけてくれたら……などと思うことも。大先輩の厳しくも温かな指導があったからこそ、自分も次世代にという気持ちが人一倍なのでしょう。

 また、大工職人として技能が認められる、うれしい出来事もありました。それは、国土交通省土地・建設産業局の「建設ジュニアマスター」に選ばれたこと。これは同局が、優れた技術を持ち他者の模範となる青年技能者を「ものづくりの名人」として顕彰するというものです。
 鼻和職長が目指すのは、お客様がまったく違和感を覚えず、むしろ普通と感じる出来栄えの裏に、職人の心遣いや技の光る施工です。住宅という商品はあくまでも、お客さまが評価するもの。この姿勢を貫くことは、自己満足やおごりを戒めることにもつながります。自身が思い描く理想の大工像へ、また一歩あゆみを進めることとなった今回の顕彰。不惑の年を間近にして迷いはありません。